TMCシステム

TMCシステムについて

TMCシステムとは

TMCシステムとはチタン・マグネット・クラウンの略で、歯科用の小型のマグネットを内蔵したチタン製のクラウン(かぶせ物)の事です。このTMCをブリッジや入れ歯に利用したのがTMCシステムです。

私の医局の先輩である東風先生(千葉県馬橋市開業)が御考案・開発なされた新しいタイプの入れ歯です。

増野歯科医院 精密入れ歯専門サイト

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TMCシステムの特徴
  • マグネットを使用するので、維持力が強く、動いたり外れたりしない。
  • バネがないので見た目が良い。
  • チタン製なので軽くて丈夫である。
  • 取り外せるので修理が容易である。
  • 維持となる歯(支台歯)を抜歯しても、そのまま使用出来るか、比較的簡単な修理で済む。

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ブリッジに義歯がついたタイプ

ブリッジに義歯がついたタイプ 症例1

主に前歯が残っていて、奥歯に多くの欠損がある場合に使えます。
一般の義歯は、残存歯(釣歯)にクラスプという金属のバネを引っかけて、はずれないようにしています。金属の弾力性を利用して維持し、また、着脱が出来るようになっているので、どうしても遊びが出てしまい、これが義歯が浮いたり動いたりする原因となるのです。
維持歯にTMCシステムを用いれば、マグネットの吸着力のための浮いたり、動いたりがせず、また、金属のバネを使用しないので見た目も審美的です。

 

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治療の流れ
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1.術前

全ての前歯と左の奥歯に連結」した固定式のブリッジが入っていて、右側は金属の入れ歯が入っています。外観からは金属と歯の境目から虫歯になっていることが分かりますが、全部連結してあるのでブリッジはびくとも動きません。

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2.ブリッジを外した状態

ほとんどの歯は虫歯になっていて、そのうち半分以上の歯は頭の部分がほとんど虫歯で溶けてしまっていました。(写真は何本かの歯に虫歯の処置が終った状態です。)

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3.残存歯の処置が終った状態

幸いにも、左の奥歯1本だけを抜歯し、残りの6本の歯は根管治療と外科手術を含む歯周処置(歯槽膿漏の治療)をする事で残すことが出来ました。

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4.内冠を装着した状態

(残存歯に被せる金属の冠で、マグネットの受け皿がついている)

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5.TMCと義歯が入った状態

フルブリッジタイプ

見た目は全くのブリッヂですが、取り外しが可能です。残存歯が比較的多く、しかもそれらの歯の補綴物(かぶせ物)を再製する必要のある時に主に使用します。

普通このような場合、被せる必要のある歯を全部つなげてしまうブリッヂを作製し、セメントでくっつけてしまいます。これは見た目もきれいで、とても 丈夫です。しかし万一ブリッヂが壊れてしまったり、支台となる歯に何らかのトラブルが発生した場合、全部はずしてやり直しなどという事もあります。また しっかりと固定されているので、トラブルがあっても気づかず、手遅れになる事もあります。

 

症例1【昭和15年生まれ・女性】

 

上顎の前歯2本と、下顎の前歯5本以外は全ての歯に冠が被せてありました。冠周囲の虫歯と根管処置に問題のある歯が多く、咬み合わせの高さも低くなっていたので、上顎は冠を全てはずす必要があります。

歯周病の進行していた前歯1本を抜歯し、根管処置、歯周処置、及び虫歯の処置をした後、TMCを作製しました。

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術前

 

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内冠を装着した状態

 

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TMCブリッジを装着した状態

 

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チタン製TMCブリッジの外見

 

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内面※

※現在4個のマグネットが入っています。

下顎は左下奥の2本の冠を除いて、他の冠は被せ直しをしました。
右下の欠損部にはインプラントを2本入れました。

 

症例2【昭和17年生まれ・女性】

平成8年、当院にて上顎に、前歯と右の奥歯を全て連結した2歯欠損のブリッジを入れました。左上と右下の欠損部にはインプラントを入れました。

患者様は、硬い食物が好物で、しかも強度の歯ぎしりがあるため、2年後に右の奥歯が1本歯根破折を起こしてしまいました。
やむおえず、破折歯を抜歯し、ブリッジの欠損部を除去し、しばらくは義歯を使用していただきました。

平成18年、ブリッジの再製をご希望されたため、左上のインプラント部を含めたTMCブリッジを計画しました。

根管処置と歯周処置は終了しておりましたが、歯根破折の心配があったので、金属の土台は柔軟性のあるグラスファイバーの土台に取り換えた後、TMCブリッジを装着しました。

 

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欠損部を除去した後の
ブリッジ

 

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内冠を装着した状態

 

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ブリッジを装着した
状態

 

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はずしたブリッジの
外見※

※現在4個のマグネットが入っています。

 

この症例の場合、もし最初にTMCブリッジを入れていれば(当時はまだ開発されていませんでしたが)、歯根破折は起きなかった可能性はあります。

またもし、抜歯が必要となっても、ブリッジはそのまま使用でき、再製の必要がなかったかもしれません。