平成2年5月、下顎の7歯欠損にチタン床義歯を入れました。以降数回の小規模な修理と裏打ち(リベース)をしていますが、人工歯がかなり磨減ってきたため平成18年9月にお預かりして、人工歯の交換という大規模な修理をしました。
写真は修理後のものですが、義歯の金属骨格は、装着時のままで、修理の費用もご負担いただいておりません。
バネをかけている歯(鉤歯)はもちろん、小さな虫歯の処置以外、残存歯はほとんど装着時(平成2年)と同じ状態です。
平成2年2月に初診でいらした患者様です。上下のブリッジの不具合で来院されました。
上顎は殆どの歯を連結している、いわゆるフルブリッジですが、虫歯と根管治療の不備が多く見受けられました。義歯の経験はありません。
幸いにも、歯周病には罹患されていませんでした。
術前の写真
当初、保険内での処置がご希望でしたので、ブリッジをはずし虫歯の大きな上顎の前歯2本と左下の奥歯1本を抜歯し、残存歯の根管処置と歯周処置後、上下にプラスティックの入れ歯(レジン床義歯)を装着しました。
しかし、義歯の不快さを強く訴え、審美的で快適でしかも丈夫な義歯を希望されたので、平成6年7月に特殊な維持装置を用いたコーヌス義歯を上下に装着しました。
装着直後の写真
装着後は、義歯の数回の裏打ち(リベース)を行いましたが、残存歯は、義歯に関与していない2本の歯を被せ直しただけで、他の歯はまったく処置を必要とせずに現在に至っております。
平成18年9月の写真
50歳にして入れ歯は当然といえば当然、なるべくしてなってしまった結果です。
子供のころから学校での歯科検診はいつも「歯肉炎」と記載されていました。
その言葉は子供心に深く突き刺さり、そして大きなコンプレックスと変化し歯医者嫌いをさらに強くさせ、大人になっても1本の虫歯を完治させることも出来ない状態となっていました。
どうせ治らないと思い込み、正しい知識を得ようとすることもなく、自ら招いた結果となっていったのです。
しかし増野先生に出会い、たった3回でさえ通院できなかった私が2年という信じられない時間をかけることが出来、人生で一番といってもよいほど充実の生活を過ごせています。
増野先生は、臆病な私の性格を把握してくださり、不安や痛みを出来る限り少なくして治療してくださいました。
次回の治療内容や時間、特にインプラントにおいては丁寧に何度も繰り返し、覚悟が出来るまで説明に時間を費やしてくれました。
残っている歯は少なくしかもグラついているため抜くものと当然思っていた私は、治療することで健康な状態になった時は相当驚きました。と同時にこれまでの自分をとても残念に思いました。
合計3本のインプラントをし自分の歯と合わせて上下4本ずつ8本で作る磁石の入れ歯にしました。
入れ歯=年寄りのイメージでしたが、軽く薄くぴったりと定着し見た目には入れ歯とまずわかりません。
なにより噛める喜びと聞きますがまさにその通りです。そして人とのコミュニケーションに不安がなくなりました。一般的には早すぎる入れ歯になりましたが幸せです。仕事が楽しく食事が美味しく、笑顔で過ごしています。
増野先生に感謝です。臆病な私を支えてくださったスタッフの皆さん本当にありがとうございました。
先生の健康管理の徹底振りには頭が下がりますが、先生あっての私達患者です。先生のご健康を願い末永くどうぞよろしくお願いします。